The Long Goodbye (Vintage Crime/Black Lizard)

The Long Goodbye (Vintage Crime/Black Lizard)

パブリッシャー
Vintage
価格: ¥1,267

The Long Goodbye (Vintage Crime/Black Lizard)のレビュー

何も判っちゃいなかった。
二十歳の頃に読んだのだが、すっかり内容を忘れていた。当時「ハードボイルド」という言葉のひびきに憧憬の念があった。レイモンド・チャンドラー、ダシール・ハメット、ハンフリー・ボガード、ローレン・バコール、ロバート・ミッチャム、工藤栄一、ロバート・アルトマン、ビム・ベンダース、ドン・シーゲル、サム・ペキンパー、etc。それらの固有名詞がごっちゃになって記憶された。それから十云年過ぎて読み返してみる機会を得た。読んでいてまさに初めて読んでいる感覚で読めた。あの頃の私はあまりこの小説に感銘を受けなかったようだ。何も判っちゃいなかったのだろう。今読んでみて、フィリップ・マーロウが鮮やかに私の中に像を結んだのを感じた。ストーリー、構成力、布石、そんなこともあまり考えず、読んでいる間、ただ単純にマーロウの次の行動が気になった。彼が、どんな場所へ移動し、どんな人物と会い、どんな会話をし、どんな身体運動をとるのか、彼の背中を(やはり憧憬の念を以て)追いかけていくような読み方になった。タフガイ、冷静な現実認識、強烈な皮肉屋、実は繊細、自分を冷めた目で俯瞰してしまう男、でも信条を曲げられない男。文章は端正かつ簡潔で的確。場面の情景、人物の心象が鮮やかに浮かぶ。ラストシーンが終わって、遠くから自分自身の心のありようを眺めやるような余韻の後に、これは自分の中で五本の指に入る映画だなと深く感じ入った経験を読書で体験したようなものになった。
別れ
コーヒーをつぎ、タバコに火をつけてくれたら、あとはぼくについてすべてを忘れてくれ―妻を殺したと告白して死んだ友人からの手紙にはそう書かれていた。彼の無実を信じ逃亡を手助けして私立探偵である主人公には、心の残る結末だった。だが、別の依頼で失踪の理由を探るうちに真実に辿り着く…。


「さよならをいうのはわずかのあいだ死ぬことだ」
本当は外国の小説はあまり好きじゃない。

もう何度も読み返してる…。
この『長いお別れ』でチャンドラーを知った。

他の作品も全部読んだ。
でもこの『長いお別れ』にはとても叶わない。

正直、背景描写などが面倒くさいって思う時もある。
でもセリフが圧倒的にかっこいーんだよ。

ストーリーがどうのこうのは言わない。
そこにいるマーロウが格好いいんだ。

喧嘩なんか弱くたっていい。
友達ってなんだろう。
約束を守るってなんだろう。
全ての子供達に読ませたい。
It's A Man's Man's Man's World.

「いっしょに寝ることにきめた」
「お金が目当てなのね」と、彼女はいった。
「シャンペンはおごったぜ」
「シャンペンなんか、なにさ」と、彼女はいった。

気の利いた台詞を吐くためには、
説得力のある身体と行動力が必要だなと思った。

男同士の友情の話。

大好きな本です。
男の友情に惹かれる
推理展開はそれ程、スリリングではないけど、ラストの主人公との友情のシーンは痺れる。マーロウの生き方がいかしてる。